先代経営者(贈与者)が死亡した場合の取扱い
先代経営者(贈与者)が死亡した場合には、後継者(受贈者)が猶予されている贈与税の納付が免除されます。ただし、贈与税の納税猶予の適用を受けた非上場株式は、先代経営者から後継者に相続(又は遺贈)があったものとみなされ相続税が課税されます。なお、株式の相続税評価額は相続時の価額ではなく
贈与時の価額によって計算し、他の相続財産と合算して相続税を計算します。なお、この際、「経済産業大臣の確認」を受け、一定の要件を満たす場合には、相続によって取得したとみなされた非上場株式等の一定部分について相続税の納税猶予の適用を受けることが可能です。つまり、贈与税の納税猶予から相続税の納税猶予への切り替えというわけです。
なお、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けて、一定の要件を満たす場合には、上記のように贈与税の納税猶予から相続税の納税猶予への切り替えができますが、先代経営者(贈与者)が死亡した際において相続又は遺贈により取得した非上場株式等(贈与税の納税猶予の特例の適用を受けた非上場株式等と同じ会社の株式等に限ります)については、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができません。
つまり、贈与税の納税猶予の特例の適用を受けなかった分の非上場株式については、相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができないというわけです。
「贈与税」から「相続税」の納税猶予に切り替える場合の「経済産業大臣の確認」
「贈与税」から「相続税」の納税猶予に切り替える場合の「経済産業大臣の確認」は、「
計画的な承継に係る取組についての経済産業大臣の確認」とは異なる手続です。
<確認を受ける主な事項>
○相続開始の時において、対象会社が以下の要件を満たしていること。
・中小企業基本法上の中小企業に該当していること
・非上場会社であること
・資産管理会社に該当しないこと 等
○ 相続(遺贈)により対象会社の株式を取得したものとみなされた代表者が、以下の要件を満たしていること。
・相続開始の直前において、先代経営者(=被相続人、かつての贈与者)の親族であったこと
・相続開始の時において、当該代表者と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有し、かつ、その同族関係者内で筆頭株主であること 等
<確認を受けるための申請>
相続開始の日から8カ月を経過する日までに、所定の申請書を各地域の経済産業局へ提出します。なお、相続税の納税猶予の適用を受けるためには、確認を受けた場合に交付される「確認書」とその他の必要書類を添付して、税務署に相続税の申告を行う必要があります。
相続税の納税猶予の適用
(1) 贈与税の猶予税額を免除される。
(2) 先代経営者から後継者に相続があったものとみなして相続税が課税される。
(3) (2)で課税された株式に係る課税価格の80%に対応する納税猶予を受ける。
(4) 5年間の事業継続は課せられない(注)が、株式の継続保有等の要件を満たすことが必要。なお、5年間の事業継続期間の満了前に先代経営者が死亡した場合には、残りの期間について事業継続の要件が課せられています。